身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも
留置まし 大和魂

西欧文明の化身 黒船の来航は、太平の夢を破った。 目覚まされたナショナリズムが、燎原の火の如く炎え拡がり逆巻く時流に、 尊王攘夷をかざして身を投じる志士が津々浦々にあらわれてくる。 植民地化の奔流をくい止め、よく独立を守り得たのは、志士が命を捨て大和魂を貫いたからであろう。 維新の志士は今も大和魂の誇りを熱く語りかけてくる。

井伊大老

黒船を前に、開国以外に途はなく、荒狂う攘夷の静まりを持つ時間もない。責を一身に負って、開国の断を下した大老の清気は、今も桜田門外を爽やかに流れている。

勝海舟翁

科学の粋 洋艦を知ることで新しい国づくりの必要を知った翁は、幕臣の立場をこえて志士を啓蒙してゆく。政治の華、江戸城明渡しは、翁の明知と精神のあらわれであろう。

岩倉具視公

西欧の強い力と、幕政の無力を知った公は、朝意をリードし、諸藩を維新に立上がらせてゆく。公の凄い気迫が尊皇の権威を輝かせ、中央集権の皇国を見事にあらわしてくる。

西郷隆盛翁

敬愛した明君、信じた朋友が敬天愛人の銘となり、巨大な人格を形成したのであろうか。 もろもろの激情が翁の人格に慮過され、洋々たる革命の大河があらわれてくる。

吉田松陰

崇高なる民族主義、 尊皇思想に一身を献じた、熱烈な松陰の大和魂は若き俊英達の心を赫々と燃やし、維新の道を照らしてゆく。

大久保利通公

幕藩体制の革新に、組織力の不可欠を知る公は忍耐力で薩摩を立上らせてゆく。革命の英雄よく治世の大立者となり得たのは、組織を熟知する公只一人である。

桂小五郎

長藩を指導して薩長連合を実現し、維新の大道を拓いた救世の志士小五郎は 、京の名華が命を賭して盡した愛の人でもあった。

坂本竜馬

自由国家の夢、 船中八策を熱く語る人間味あふれる竜馬の魅力が諸藩の革新勢力をつなぎ、維新の道を拓いてゆく。

徳川慶喜公

名君の器量で、幕政改新の必然を知る公は、無血改革を念じつつ、大政奉還 江戸城明渡しなどの負の主役を無言無為で見事に演じきってゆく。

高杉晋作

長藩の革新を主導し、騎兵隊を組織して、暴軍を破った革命の天才晋作の知略と勇気が、階級社会を破壊し、公平国家への道を拓いてゆく。